別冊「おたま人生」~韓国を行くIII~(平成8年記)


江陵(カンヌン)~自然景観の優れた観光都市

私の江陵訪問は4回。その時々に色んな思い出がある。朴二玉氏は常日頃から警察を退職したら二人で全土を回りましょう。そして、各地の吹奏楽仲間を私に紹介したいと。ソウルから高速バスで3時間半。韓国の屋根といわれる太白山脈を越え、移り変わる周囲の山並みを見ながら江陵まで、快適なドライブである。しかし、このコースにはドライブインが少なく、トイレ休憩は一回しかないので要注意。

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※江陵市民吹奏楽団を指揮しても私のモットー「音楽は世界の言葉」終演後サイン攻めで困りました。

2002年に国際空港が出来れば、大阪から直行便で2時間の距離ですよと、出迎えてくれた任在仁氏が語る(この空港は出来ることは出来たが、お客さんが集まらず、現在では釜山・ソウルからの国内線も飛んでおらず、交通は高速バスのみである)釜山、ソウルの大都会と違って、風景が全く違うし、空気が美味しいように感じる。なにか、済州島の風景に似たような感じがするねと、同行の大岩氏はしみじみと語った。

38度線に近く、緊迫感が有ると思っていたが、2度目の訪問の時、迎えに来てくれた任在仁氏が北朝鮮の潜水艦を見に行きませんかと言う。新聞紙上で北朝鮮潜水艦越境事件を知っていたが、それを目の当たりにするとは思っても見なかった。江陵から車で南へ10分のところである。トタン塀の柵で遮蔽してあるので、ガードレールに上がり、遮蔽板越しの写真撮影だ。不思議に警備兵は見て見ぬ振りだ。それもそのはず、その後に訪れたときには、観光化のための工事が始まっていた

北潜水艦
※警備の兵隊も見て見ぬふり!写真撮影もパッチリ

ソウル・釜山から飛行機で約1時間(現在は高速バスのみ)空港に降り立てば空気の違うことがはっきりとわかるし、景観が素晴らしく、多くの自然が残っている。江陵のホテルは市内から車で15分、鏡浦湖の周辺だ。ここから東に続く海岸を含めた一帯が鏡浦台。月夜ばかりではなく日本海の彼方の日の出を見れば、自然とカメラのシャッターを押したくなる。6キロも続く白砂の海岸は、夏になれば海水浴場として賑わいを見せる。私の訪問時は何時もシーズン外であるが、海辺のレストランで新鮮な魚介類をあてに、旧交を暖め、音楽談義に花が咲く。

正津浜ホテル
※外観だけではなく立派なホテルでした(日本海に昇る朝日は抜群)

私が特に薦めるのは、江陵市内にある「チャムソリ博物館」発明王エジソンが作った世界初の蓄音機であるチームフォールを始め、1600余点の蓄音機やオーディオが所せましと展示してあり、世界最初のオーディオ博物館である。惜しむらくはマンションの一角にあり、土地に詳しい人に聞くのが賢明である。

正津浜・東洋一日時計
※正東津浜の東洋一の日時計をバックにパチリ!(同行の大藪さん撮影)

江陵から車で30分。正東津の山手に、巨大な船舶型をしたホテルが建設中で、2004年には完成と聞く。高台にあるので景色は勿論、遠く続く白砂の海岸線や、遠く雪嶽の山並みも遠望できる。2006年済州島での客演指揮を終え、釜山で国内線に乗り継ぎ、家内及び大藪氏夫妻と訪れたとき、このホテルを利用した。日本からのお客さんの宿泊は初めてですよと話す。このホテルを予約確保してくれた原田さん(第一旅行社長)に感謝。